灼眼のシャナ2 3/3

灼眼のシャナ2 3/3





あれ?
池!平井さんは?



平井さんってなぁに?



平井さんだよ。一緒に居たろ?



そうだっけ?



そうだっけって・・・




まさか!平井さん、もう・・・



そう言えば、さっき出て行ったような気もするけど。



ほんとか!?
出て行ったんだな!!



たぶんね。
これ、もしかしてクリア!



池、なんでそんなに無関心なんだよ!
ちゃんと思い出せよ!!
さっきまで3人で一緒に居ただろ!!
平井さんはな!平井さんは・・・






池君て彼女、居ないのかな?






おい、坂井。
おまえ どうしたんだよ。
大丈夫か?



池のせいじゃない。
これがトーチなんだ。



ごめん。平井さんは僕が探してくるよ。



なんなんだ?あいつ・・・






平井さん!まだ消えてなんかいないよね。
頼むから、まだ。






まったく!うろちょろするなって言ったのに。
なんて変なトーチなの!!



あがく者というのは どこにでも居るものだ。






よかった。
居てくれて。



ああ、池は用事があるからって。
それ、僕のところ切っちゃえば池とツーショットになるよ。



え?何?




この景色が好きだから。



あ、そうか。
だからここに来たんだ。



平井さん!明日は池をつれてこようよ。
ここで、池と・・・だから・・・



これがトーチ。



そう。



僕もこうやって消える。



そう。残りかすはいつかは燃え尽きる。
だれもその存在は覚えていないし、あとも残らない。
だからうまくいくって。



違う!!!
僕が知っている!

平井さんが居たこと!
池が好きだったこと!

彼女が平井ゆかりだったこと!
彼女は絶対に居たんだ!!
ここに!!
居たんだ。



それで・・・



僕もここに居る。
自分が坂井悠二であることを僕が知っている。



おまえはただのトーチよ。



それでも僕は坂井悠二だ。



きみだって。



私はただのフレイムヘイズ
それだけよ。
ある意味、トーチと同じね。



ただのって言い方、もうやめろよ!



だってそうだもの。
おまえはただのトーチ。
私はただのフレイムヘイズ



ちがう。



ちがわない。



どうしてきみは・・・



なによ・・・



名前、
きみの名前 教えてよ。



名前は無い。
ただのフレイムヘイズよ。



また言った。



うるさい!
うるさい!
うるさい!

名前なんか要らないのよ!
ほかのフレイムヘイズと区別する時は
にえとののしゃな(贄殿遮那)のフレイムヘイズで通るわ。



にえとののしゃな?



この子の持つおおだち(大太刀)の
名だ。



にえとののしゃな。
じゃあ、君はシャナだ。



僕は今からそう呼ぶ。
君はシャナ。
もう、ただのフレイムヘイズじゃない。



ぼくもただのトーチじゃない。
坂井悠二だ。




そう、彼女の名前は僕がつけた。
あの日から炎髪灼眼のフレイムヘイズはシャナになったんだ。