ツバサ・クロニクル 22 3/3

ツバサ・クロニクル 22 3/3



うわぁ!



って!
部屋全体が鬼児かよ!



これは?
油?

右手に巻きついたほうを切って下さい!



てやぁ!



来い!






これでよしっと。



ご苦労さま。



それじゃぁ、お店を手伝いますね。



少し休んだほうがいいよ。



一緒に旅しているみんなに
あたし、何も出来ないから。
できる事だけでも頑張りたいんです。
いつか、少しでもつらい事を分けてもらえるように・・・



危ない!

さくら・・・



大丈夫だよ。



う?



ちょっと張り切りすぎちゃったみたいだね。

本当にいい子だね。
さくらちゃん。

他にかまっている暇なんて無いはずのオレが
幸せを願ってしまうくらい。



ファイ・・・






へ・・・



すみません。
黒剛さんばかりに戦わせてしまって。



へっ。
てめぇなんぞに剣を抜かれたら
鬼児と一緒にこっちまであの世行きだぜ。



いくぞ!



慣れて来たみてぇだな。



はい。

少しずつだけども
見えなくても
感じられるようになってきました。

ぁ・・・
行き止まり・・・?



だな。



音が・・・



何か居る。
気を抜くな。



はい。



あ?



あ!
お客様です!
ようこそ!ようこそ!



うぇ!
わぁ!



でか!



ご挨拶が遅れたです!
すももです!



ことこですわ。



久しぶりの来訪者です!
おもてなしするです!



その前にどいてさしあげないと
来訪者は瀕死ですわ。



はい!
すもも、どくです!



うわぁ!



ここに来たという事は
尋ねたい事があるのでしょ?



鬼児を従える者について知りたいんです。



すももはやる事がないので踊るです!



あなたたちがここまで来られたという事は
かなりの実力を持った鬼児狩りであるという事。
よろしいですわ。
お教えしましょう。



ん。



鬼児を従える者とは
公にはされていませんが
それはイの一。
つまり、最強の鬼児の事です。

最強の鬼児は圧倒的な強さと
特殊な能力があります。
そのため他の鬼児たちは従います。
そして、最強の鬼児は唯一
人の姿をしています。



それって
フードをかぶった・・・



違います。



え?!



あなたがおっしゃられたのは
最近、この国に現れた者のことでしょう。
あれは、イの一の鬼とは違います。



でも、鬼児たちはあの人に従っていました。



あれは干渉する者です。
近日、市役所が所在を突き止めて
排除するでしょう。



干渉する者・・・?






ファイ・・・?



ん?
何?



ファイ、前におっきな湖がある国で言ったよね?
笑ったり楽しんだりしたからって
誰も小狼を責めない・・・って。



うん。
それがどうしたの?



ファイの事もね
誰も叱らないよ。

小狼も、さくらも、黒剛も
みーんな!



ぁ!



ぁ?



オレ、いっつも楽しいよ。



でも、笑ってても違う事考えてる。



ぁ・・・

モコナは本当にすごいな。



モコナ108の秘密技の一つだよ。
淋しい人はわかるの。
ファイも黒剛も、小狼
どこか淋しいの。

でもね、一緒に旅してる間に
その淋しいがちょっとでも減って
さくらみたいな暖かい感じが
ちょっとでも増えたらいいなぁって
モコナ思うの!



そうなるといいね。



うふ。






あの二人の言ってる事が正しいのなら
イの一の鬼児と新種の鬼児は
完全に別のもんって事になる。



しかも、新種の鬼児は干渉する者。
つまり
よそから来た存在です。



それじゃぁ、イの1の鬼児ってのは
一体何処に居るんだ?



ぁ!



緊急事態です!



ぇ?






いらっしゃい
まほう〜!



ぁ・・・



すみませ〜ん。
今ちょっとお取り込み中なんですけど〜。



ここに鬼児狩りが居ますね?