灼眼のシャナII 20 3/3

灼眼のシャナII 20 3/3





境涯地を戦場に選ぶ行為は
俺にとってはなんら脅威にならない。
仮にも万条の仕手たる者が飛び込むべき
死地ではあるまい。
とは言えこのままみすみす逃すわけにもいかぬか。



はっ。
いかん、なんたる不覚。



ぁ!
あれだけの攻撃を受けて全く無傷とは。
ありえないのであります。



不可解。



幻術の可能性は?



皆無。






万条の仕手と
これほどの長丁場を戦うのは初めてだったからな。
なるほど。
あの二人の逃げ足の速さと、この防御力。
俺にとっては最悪の標的だったと言うわけだ。



壊刃、サブラク
先のイエーガー(探索猟兵)とヴァンデラー(巡回士)も
おまえの仕掛けた罠の一貫でありますか?



いかにも。
俺が三眼の女怪(じょかい)、ベルペオルに手配させた。
油断を誘い手管を探る。
そのためだけに使った道具。
あるいは彼奴ら(きゃつら)だけで事がすむかと
淡い期待もしたが所詮役者が違ったか。



やはり依頼主はバルマスケ(仮装舞踏会)。
狙いは・・・



零時迷子。



はっ。



うっ!



やはり手ごわい。
かつての遭遇で遺漏無く皆殺しにしておれば
楽に仕事を終えられたのだが・・・
最もこれは一撃必殺を旨とせぬ
俺の流儀が呼んだ不快な結果でもある。



さて、捕らえはしたが
戦いの最中である今
これをどうこうするという悠長な・・・
うむ?
今さらと言うような確認の会話は
俺の気をこいつに引くためか?
本物は?






何か・・・
何か・・・
あのぐぜ(紅世)の王を倒す方法は・・・






察知不能の不意打ち。
大規模な攻撃は初めの一回限り。
目の前の敵と交戦するのみ。
異常なまでの耐久力。






ぁー。



まさか・・・






ぁ!



疲労を前に表すほど力もうせたか。
ならば、そろそろ決別のころあいだ。
万条の仕手!



再現が無いのであります。



弱音禁物。